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◆サッポロラーメン名店 武蔵 | ||||
ここは、サッポロラーメン専門店として根強い人気があるお店。 人気の秘訣は、昔ながらのサッポロラーメン作りへのこだわりと、麺に対する職人魂がそのまま味に伝わる事にある。 スープ、たれ、麺の三味一体が調和したとき、初めて旨いラーメンができるといった頑固なラーメン哲学から生まれたものなのだ。 店主の和島 實さんは開業する前、16年間西山製麺(株)で麺を作ってきた職人でもある。 また、サッポロラーメン全盛期の時代を製麺屋という立場から見守ってきた方でもある。 「当時は様々なラーメン店が味を競い合い、勿論、味に個性があり、麺にもそれぞれのお店の風味があった。」と、言う。 「麺」に味がある!?確かにスープやたれが絡む事によって味は決まるものと思いがちであるが、麺自体に味を出しているラーメン店は本当に極少数であろう。
和島さん自身も決して今の麺に満足している訳ではないのだ。 殆んどのラーメン店では、麺を製麺会社から業務用麺として仕入れている。 その為、大量生産される同じラインで作られた麺を使用している為、いくら各店のスープが違うと言ったところで、食べている麺は皆同じという訳だ。 確かに細麺、太麺、ちぢれ具合といった分類での特注麺はあるが、麺の原料となる小麦粉や小麦タンパク、卵白粉の種類、原産国まで特定し、それを混ぜ合わせる比率まで製麺会社に特注する事は難しいのである。 「麺は生き物」と言い切る和島さんも今まで特注麺を使用してきた訳ではない。 自分のラーメンと相性の良い製麺会社を選択してその麺をしっかりと熟成させ、スープ、たれとよく絡むラーメンを作り続けてきたが、麺自体に味や風味が無い事に納得がいかなかったのである。 そこで、無謀な考えかも知れないが、以前努めていた西山製麺(株)にこの難問をぶつけてみたところから始まった話なのである。 |
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◆サッポロラーメン生みの親 西山製麺 | ||||
それは、だるま軒と呼ばれ、一緒にラーメンを作っていた初代西山製麺社長 西山 孝之(右下写真)から始まる。 当時、極寒の北海道の地にラードをきかせた熱いラーメンが人々の心と体を温めた。 勿論、味噌ラーメンなど当時は無く、薄い塩味の濁った白いスープであった。 その為、麺の味が重視され、麺作りを担当していた西山さんは毎日が苦労の連続だったと言う。
現在では、三代目 西山 隆司氏に引き継がれ、全世界に「西山ラーメン」が輸出され、人々に親しまれているのである。 果たしてここまで大きくなった西山製麺がたった一軒の小さなお店のラーメンに対する思い入れを受けてもらえるのだろうか? 多くの製麺会社が値段の要求などに応える為、コストダウン化、大量生産に注意を注いできたのも事実。 しかし、このままでは「サッポロラーメンが死んでしまう。」と、いう危機感が二人を結びつけた。 西山 隆司社長はこう話す「私共の主力であるサッポロラーメンは、単なる食べ物ではなくて『食文化』である。何故なら麺だけではラーメンになりません。スープ、たれ、麺、盛付等がバランスよく引き立てあって初めて、一杯のラーメンになる訳です。ですからラーメンを作る店主の方、それを食べるお客様の双方の声を聞かなければ、成長はないという事です。事実、最近ではウチのスープに合う麺を作って欲しいという要望に応えるべく、原料の配分、麺のちぢれ具合、色、太さ、麺のこね方などあらゆる手法の特注麺を製造しております。武蔵さんも同様に一番合う麺を作って行かなければ、ラーメンという食文化の成長は、ありえないと思います。」と、語ってくれた。 社内の一角には「麺彩館」と称したラーメン店の厨房を再現した研究開発施設も設置。 そこでは日々、店主のニーズ応えるべく、旨さへの追求を一緒に悩みながら研究開発に取り組んでいる姿勢には驚かされる。 |
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◆本物のサッポロラーメンを! | ||||
西山社長:「そうですか。それでは武蔵さん専用のラインで機械を動かしましょう。勿論、当社の選任スタッフもお付けして、原材料の吟味から全ての工程を独自にして、これぞサッポロラーメンに相応しい最高の麺を一緒に作りましょう。」と、話は成立。 ここ札幌で生まれ育った食文化である『本物のサッポロラーメンをお客様に提供したい!』と、いうお互いの気持ちは、合致! それができるのは、お店と製麺会社がお互いに協力し合う事で実現できると確信した。 その後、両者は幾度と原材料の選別から配合等、研究を重ね、武蔵さんのラーメンのスープとたれにマッチした麺ができあがった。 その麺が製品となるまでの工程を次のページでご紹介しよう。 |
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